太陽光発電コラムPV column

ソーラー

2022/06/01

“太陽光発電の世界市場見通し 2022-2026年” SolarPower Europe発表

世界の太陽光市場と今後5年間の市場動向について、SolarPower Europeが今年度版の ”太陽光発電の世界市場展望 2022-2026“ (原題: Global Market Outlook for Solar Power 2022-2026) を発表しました。太陽光発電の市場動向がとても分かりやすくまとまっております。

レポート (英語) は下記リンクよりダウンロード可能です。
出典元: https://www.solarpowereurope.org/insights/market-outlooks/global-market-outlook-for-solar-power-2022

本レポートの概要とエグゼクティブサマリーについて下記ご紹介致します。

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SolarPower Europeが毎年発行している『Global Market Outlook for Solar Power』は、世界の太陽光発電に関する最も権威ある市場分析報告書であり、数々の賞を受賞しています。
包括的な過去の市場データ、世界の主要市場の5年予測、屋上設置型と地上設置型の区分の分析など、本レポートは太陽電池業界とエネルギー関係者にとって不可欠なツールとなっています。

「太陽光発電の世界市場展望 2022-2026年」をダウンロードしてご覧ください。

  • 世界の太陽電池市場
  • トレンド: 太陽電池技術の注目点
  • ハイライト: ラテンアメリカの太陽光ポテンシャル
  • 2021年のGW規模の太陽光発電市場
  • 太陽光発電の世界市場展望 2022-2026

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主なポイント

1. 世界の太陽光発電がテラワットの大台に

世界の太陽光発電容量は2018年から3年間で倍増し、2022年4月には1テラワットの容量に到達します。世界の太陽光発電市場は指数関数的に成長しています。2012年に100GWだった世界の太陽光発電容量が1TWに到達するまでには、約10年の歳月が必要でした。SolarPower Europeは、わずか3年後の2025年には世界の太陽光発電が2倍以上の2.3TWになると予測しています。

出典元: SolarPower Europe 2022

2. 太陽電池:最も急速に成長しているエネルギー技術

太陽光発電は、2021年に世界で設置された再生可能エネルギー容量302GWの半分以上を占め、依然として最も急速に成長している再生可能エネルギーとなりました。168GWの追加により、太陽光発電の導入量は、次に導入量の多い風力発電よりも70GW以上多く、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの合計よりも多くなっています。

出典元: SolarPower Europe 2022

3. 世界の太陽光発電シェア

年率14%の成長率と過去最高の54.9GWの新規太陽光発電を導入した中国は、2021年も引き続きマーケットリーダーとなり、第2位の米国よりも2倍の太陽光発電容量を追加しました。とはいえ米国は目覚ましい成長を遂げ、2021年の太陽光発電の追加量は2020年比で42%増となりました。インドは14.2GWの太陽光発電設備を導入し、第3位に返り咲きました。

出典元: SolarPower Europe 2022

4. 欧州の太陽光発電の軌跡

欧州地域*は、太陽光発電の前向きな軌跡を継続し、31.8GWの追加導入を達成しました。これは33%の成長であり、SolarPower Europeの2021年世界市場展望の予測との差はわずか0.1GWにすぎません。ロシアのウクライナ戦争の影響と、それに伴うエネルギー安全保障の課題、さらにEUの気候目標が、欧州大陸の再生可能エネルギー移行を促進しており、EU加盟27カ国中25カ国が、2022年に2021年より多くの太陽光発電設備を設置するとされています。

*ヨーロッパ地域=EU27+アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、グルジア、アイスランド、コソボ、モンテネグロ、北マケドニア、ノルウェー、ロシア、セルビア、スイス、トルコ、ウクライナ、およびイギリス。

出典元: https://www.solarpowereurope.org/insights/market-outlooks/global-market-outlook-for-solar-power-2022

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本レポートのエグゼクティブサマリーは以下の通りです。

エグゼクティブサマリー

出典元: SolarPower Europe 2022

COVID-19の流行と経済回復プログラムが続き、また世界中で電気料金が記録的に高くなったエネルギー危機が特徴的な2021年、多くの人がエネルギー需要のために太陽光発電に目を向けました。2021年は全世界で167.8GWの太陽光発電設備が系統とつながり、前年の139.2GWを21%上回り、この分野の世界の年間設置記録をまたもや更新しました。これにより、2021年末までに稼働中の太陽光発電設備は940GWとなり、2022年5月の本レポート発行前にテラワットの導入量をすでに達成しました。

この太陽光発電の目覚しい成長は、他のどの発電技術も匹敵するものはありません。世界の再生可能エネルギー発電の新規設備容量300GW以上のうち、太陽光発電だけで他のすべての再生可能エネルギー技術の合計よりも多くの容量を設置し、56%のシェアを占めています。また、2021年の太陽光発電の導入量は、すべての化石燃料発電技術の合計よりも多くなっています。しかし、世界の電力需要のうち、太陽光発電が占める割合はまだ4%程度と小さく、70%以上が非再生可能エネルギー源によって供給されています。

サプライチェーンにおける課題も、太陽光発電のコスト競争力の向上を止めるものではありませんでした。前年度比でさらに3%減少し、今日、ユーティリティ規模 (電力会社規模) の太陽光発電のコストは、あらゆる新しい従来型発電源よりも一貫して低くなっております。太陽光+蓄電池のコスト競争力はガス主体電源に対して、特定の地域ではすでに議論の余地がないほどとなっております。

太陽光発電の入札結果は、世界中で太陽光発電技術の競争力が高まっていることを示しており、2021年に太陽光発電の最安値が記録されました。サウジアラビアでの1.04米ドルセント (日本円換算: 1.4円/kWh、1米ドル=134円) という太陽光発電の入札最安値価格は、2020年にポルトガルで記録した過去の最安値よりも21%低いものでした。

年率14%の成長率と過去最高の54.9GWの新規太陽光発電を実現した中国は、2021年も市場のリーダーを維持し、年率42%の拡大で目覚ましい成長パフォーマンスを続けた第2位の米国よりも2倍の太陽光発電を導入しました。2020年は残念な結果に終わりましたが、インドは14.2GWを設置し、3位の座を奪還しました。中国、インドともに記録的な太陽光発電の年でしたが、アジア太平洋地域の世界シェアを維持するには十分ではなく、6ポイント減の56%となり、米州が22%、欧州が19%に成長しました。

2021年に太陽電池の部品価格と運賃が上昇し、2022年にも影響を及ぼしたにもかかわらず、今年も記録的な業績が期待されています。2022年、SolarPower Europeの中期シナリオでは、世界の太陽光発電設備容量が36%増の228.5GWになると予想しています。今後4年間、世界の太陽光発電の需要は非常に強く、2023年の255.8GWの追加設備容量から2026年には347GWに拡大する見込みです。2025年には314.2GWの追加となる可能性が高く、昨年のGlobal Market Outlookで予想したよりも18%増加しています。

2012年に100GWだった世界の太陽光発電の系統連系容量を2022年に1TWまで拡大するのに10年かかったとすると、2025年末までに2GWまで倍増させるには3年半強しかかからないことになります。2022-2026年の予測期間終了時には、全世界で2.3TWの太陽光発電が設置されると予想しています。

世界的に市場が拡大しているにもかかわらず、2021年のGW規模の市場数は17か国に留まっていますが、この点でも持続的な成長が見込まれ、2022年に21か国、2023年に29か国、2024年に34か国のGW規模の市場が誕生すると予測しています。

今年の地域別フォーカスは、ラテンアメリカです。グローバル・ソーラー・カウンシル (GSC) の支援を受け、GW規模の市場であるブラジルとチリのエキサイティングな開発により、2021年に44%成長した太陽光市場について、詳細な分析を提供しました。この地域における太陽光の将来は有望であり、特にブラジルは、5年間のレポート展望期間中に初めて、予想される最大の太陽光市場のトップ10に入りました。ブラジルは2026年までに54GWの設置が見込まれており、これは最近までヨーロッパ最大の太陽光発電市場であったドイツの設置量に匹敵するレベルです。

出典元: https://www.solarpowereurope.org/insights/market-outlooks/global-market-outlook-for-solar-power-2022

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