太陽光発電コラムPV column
エネルギー
2022/03/01
エネルギー消費と太陽光発電の推移
世界各国で人口増加や経済の発展によりエネルギー消費量が増大しており、また再生可能エネルギーの導入量が急増しています。国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)で発表しているエネルギー統計資料で確認でき、世界のエネルギー供給量の供給源の推移は図1の通りです。
世界のエネルギー供給量は、1971年230EJ、2001年422EJ、2019年606EJと増えています。(EJ、エクサジュール、10の18乗)。このうち最大のエネルギー供給源は石油(1971年102EJ、2001年155EJ、2019年187EJ)、次に大きな供給源は石炭(1971年60EJ、2001年98EJ、2019年162EJ)であり、石油と石炭で世界のエネルギー供給の50%以上を占めています。3番目に大きなエネルギー源は天然ガス(1971年37EJ、2001年87EJ、2019年140EJ)、4番目はバイオ燃料や廃棄物由来、5番目は原子力(1971年1.2EJ、2001年28.8EJ、2019年30.5EJ)、水力や風力や太陽光などの再生可能エネルギーや他のエネルギー源は1971年4.5EJ、2001年11.8EJ、2019年28.6EJ、となっています。
エネルギー供給源と消費先に関する説明で、日本の経済産業省・資源エネルギー庁発表のエネルギー白書からの抜粋は下記の通りです。
「具体的には、一次エネルギー供給は、石油、天然ガス、石炭、原子力、太陽光、風力などといったエネルギーの元々の形態であるのに対して、最終エネルギー消費では、私たちが最終的に使用する石油製品(ガソリン、灯油、重油など)、都市ガス、電力、熱などの形態になっています。一次エネルギーの種類別にその流れを見ますと、原子力、再生可能エネルギーなどは、その多くが電力に転換され、消費されました。一方、天然ガスについては、電力への転換のみならず、熱量を調整した都市ガスへの転換と消費も大きな割合を占めました。石油については、電力への転換の割合は比較的小さく、そのほとんどが石油精製の過程を経て、ガソリン、軽油などの輸送用燃料、灯油や重油などの石油製品、石油化学原料用のナフサなどとして消費されました。石炭については、電力への転換及び製鉄に必要なコークス用原料としての使用が大きな割合を占めました。」
一方でCO2削減、SDGs等が注目を集めるようになり、そこで再生可能エネルギー導入も増えてきております。再生可能エネルギーの国際的な機関の国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency、略称:IRENA)のデーターベースでの発電所容量と発電量の推移は図2の通りです。
2000年時点の再エネ発電所容量は世界で753,288MW。最大容量の水力発電所は697,319MW、再エネ発電所の統計値には含まれていない揚水発電所は84,931MWとなっております。風力発電所容量は16,932MW、太陽光発電所(集光型除く)は全体の0.1%の809MW(うち日本330MW)とわずかな容量となっております。
2019年時点の再エネ発電所容量は世界で2,542,035MW。最大容量は引き続き水力発電所で1,191,570MW、再エネ発電所の統計値には含まれていない揚水発電所は120,599MWとなっております。風力発電所容量は621,646MW、太陽光発電所(集光型除く)は全体の23.0%の583,872MW(うち日本63,192MW)と大きく増えています。
2000年時点の再エネ発電所からの発電量は世界で2,843,533GWh。最大発電量は水力発電所で2,626,417GWh、再エネ発電所の統計値には含まれていない揚水発電所からの発電量は83,215GWhとなっています。風力発電所の発電量は30,918GWh、太陽光発電所(集光型除く)は全体の0.03%の805GWh(うち日本357GWh)とさらに少ない発電割合となっております。
2019年時点の再エネ発電所からの発電量は世界で6,963,450GWh。最大発電量は水力発電所で4,207,127GWh、再エネ発電所の統計値には含まれていない揚水発電所からの発電量は114,480GWhとなっています。風力発電所の発電量は1,412,384GWh、太陽光発電所(集光型除く)は全体の9.75%の678,999GWh(うち日本68,953GWh)と増えてきております。
2019年時点でのエネルギー源として再生可能エネルギーは全体の4.72%(606EJ中、28.6EJ)、太陽光発電所の発電量は再生可能エネルギー発電量の9.75%となり、太陽光発電所からの発電量はエネルギー供給源として約0.46%を占めている、と推計されます。
Source: IEA, World Energy Balances, 2021.
https://www.iea.org/data-and-statistics/charts/world-total-energy-supply-by-source-1971-2019
Source: IRENA, Data & Statics. https://www.irena.org/Statistics
Source: 資源エネルギー庁 令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021) https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/pdf/
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