太陽光発電コラムPV column
ソーラーパネル
2023/04/01
2023年の太陽光モジュールのサイズ・出力と劣化率改善について
2022年の世界の太陽光モジュールの出荷量は250GW以上となり、年々増加しております。太陽光モジュール出荷量の上位5社(ロンジソーラー社、トリナソーラー社、ジンコーソーラー社、JAソーラー社、カナディアンソーラー社)による市場占有率は50%を超えてきているようで、寡占化の流れが進んできているように思われます。一方で2022年の日本市場は約5GWと世界市場のわずか2%程度の規模である事を考慮すると、インフラ事業として継続性の重要度の観点から世界の主流パネルの情報と選定は重要なポイントと言えるかもしれません。
大型セル(182mm、210mm)を使用したモジュールが各メーカーの主力モデルになっております。更にモジュールサイズの共通化により、主に400ワットクラス、550ワットクラス、650ワットクラス、が一般的に流通しているサイズ・出力となってきているようです。
1. 400ワットクラス (410~450ワット) の太陽光モジュール
一昨年まで主流の120ハーフカットセル(166mmセル)の370/380ワットクラスの後継モデルに該当する400ワットクラスは主に下記2つのサイズに分類されます。
- 各メーカー標準サイズ: 1722 x 1134 x 30 (35) mm
- トリナソーラー社・ジンコーソーラー社: サイズ 1762 x 1134 x 30 mm
2. 550ワットクラス (545~585ワット) の太陽光モジュール
一昨年までは144ハーフカットセル(166mmセル)で450ワットの出力で流通していたモデルの後継機種になります。モジュールサイズも大きくなり、世界で最も生産量が多いサイズと思われ、両面発電モジュールもこのサイズは各メーカーが生産しております。
- 各メーカー標準サイズ: サイズ 2278 x 1134 x 35 (30) mm
- トリナソーラー社: サイズ 2384 x 1134 x 35 (30) mm
3. 650ワットクラス (625~675ワット) の太陽光モジュール
こちらは日本では特別高圧案件、世界中では大規模発電所で使われる一番大きいサイズのモジュールになり、生産メーカー数も若干減少します。
- トリナソーラー社・カナディアンソーラー社・サンテックパワー社: 2384 x 1303 x 35 (33) mm
- ジンコーソーラー社: 2465 x 1134 x 35 (30) mm
4. 太陽光モジュールの劣化率、保証期間
太陽光モジュールの製品保証期間10年、出力性能保証90%が一般的であった時代を経て、2009年にドイツのSolarWorld社がリニア出力保証を打ち出しました。初年度劣化率は3%、2年目以降の経年劣化率は0.7%、出力保証期間は25年間、という画期的な内容で、以降の太陽光モジュールの保証基準のフォーマットとなっています。
その後、太陽光パネルのコストは勿論の事、太陽光モジュールの出力、変換効率、製品保証期間、出力性能保証に関連する劣化率の条件の全てが改善されております。
ここ数年の一般的な太陽光モジュールの保証期間と劣化率は下記の通りです。
- 製品保証期間: 10年、12年
- 出力保証期間: 25年、30年
- 初年度劣化率: 2%、2.5%
- 2年目以降の経年劣化率: 0.55%。0.45%
様々な最新技術や、N型単結晶シリコンによる太陽電池(セル)により、最新の保証期間と劣化率は下記の通り改善されております。
- 製品保証期間: 12年、15年
- 出力保証期間: 25年、30年
- 初年度劣化率: 1.0%、1.5%
- 2年目以降の経年劣化率: 0.4%、0.45%
FIT開始当初のモデル、現在の汎用モデル、現在の最新モデルの出力保証値の違いは、下記の通りになります。
- FIT当初のモデル: 97% (初年度)、90.70% (10年目)、83.70% (20年目)
- 最近の汎用モデル: 98% (初年度)、93.05% (10年目)、87.55% (20年目)
- 現在の最新モデル: 99% (初年度)、95.40% (10年目)、91.40% (20年目)
出力保証値に基づく評価では、現在の最新モデル19年間の売電収入は、FIT当初の太陽光モジュール20年間の売電収入を上回る事になります。
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